この研究は、疫学研究の仮説の組み立てに生態学的データを如何に活用するかを、脳および神経系のがんを例として検討した。がんとその潜在的リスク要因との生態学的レベルでの結びつきを探索するためにはオープンアクセスのデータベースの利用が考えられる。ここでは、各国の年齢調整発がん率(GLOBOCAN 2008から入手)と種々の環境開発指標(国連開発報告書および世界銀行の開発指標リストより入手)の関連を多変量回帰分析モデルで解析した。その結果、2008年の各国の脳および神経系のがんの発生率に関連したのは、大陸、2008年国民総所得、人間開発指標スコアであった;開発に伴う種々の外的リスク要因のうちでは、携帯電話通信の契約の普及率のみが関連した;これ以上詳しくばく露-反応関係の分析はできなかった;一般的に、生態学的分析の結果を因果推論において過剰に解釈すべきではない、と報告している。
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