[950 MHzの現実的環境における臓器毎の平均SAR計算の確率論的手法] tech./dosim.

Stochastic method for determination of the organ-specific averaged SAR in realistic environments at 950 MHz

掲載誌: Bioelectromagnetics 2013; 34 (7): 549-562

この研究は、GSMの950MHzの現実的電磁環境内での人体ファントム(Virtual Family Boy)の臓器毎の平均SAR(SARosa)を計算した。現実的な電磁環境として、都市部のマクロセルやマイクロセル、屋内のピコセル、屋外-屋内、郊外を取り上げた。これらの環境では、遠方電磁界ばく露のパラメータである入射平面波の数、振幅、偏波、位相、方位角、仰角の分布が異なる。これを反映した5つの条件について、SARosaをFDTD計算し、その累積統計分布を求めた。計算方法として、平均誤差が1.8%以下である精密なベクトル・スプライン補間法と平均誤差の最大値は14.3%であるが計算が速いスカラー・線形補間法の2通りを提案している。その結果、この2つの計算方法とも、調べた電磁環境、調べた臓器について、同じ形状の累積統計分布を示した;SARosaは、電磁環境、臓器により異なった;SARosaに影響する2つの要因は、臓器の導電率/密度および臓器の重心と体表との距離である;比較のため、単一平面波ばく露によるSARosaも計算し、各臓器について単一平面波ばく露でのワーストケースとなる条件を明らかにした;全ての臓器で、現実環境ばく露によるSARosa値の91%以上の値となった;ただし、全ての臓器に対してワーストケースとなるような単一平面波の偏波条件はなかった、と報告している。

ばく露