研究のタイプ: リスクコミュニケーション/リスク認知の研究 (実際的研究)

[電磁界を原因と考える本態性環境不耐症:英国の新聞記事の内容分析] risk

Idiopathic Environmental Intolerance Attributed to Electromagnetic Fields: A Content Analysis of British Newspaper Reports

掲載誌: PLoS One 2013; 8 (6): e65713

この研究は、英国内の最近の新聞記事において、電磁界を原因と考える本態性環境不耐症(IEI-EMF)についての科学的証拠(様々な症状に苦しむEHSの人の存在は確認しているが、二重ブラインド的な実験研究では電磁界がそのような症状を引き起こすことは確認されていない)に基づいた報道を行っているか否かを分析した。新聞記事データベースNexsisで、2006年1月1日-2011年12月31日までの関連記事をキーワード検索し、論文著者2人が独立的に採択基準との照合を行い、最終的に適格な記事190編を選定した後、190編から60編を無作為抽出し、分析した。2006年1月1日をカットオフに選択した理由は、IEI-EMFに関する高品質な実験研究からの証拠を体系的レビューした論文が公表された後の報道状況を分析するためである。分析は、第1に、IEI-EMFの主な原因をEMFとした記事の割合、症状に対する未証明の対処法として、電磁界ばく露低減対策に触れた記事の割合または補完代替療法に触れた記事の割合を調べた。第2に、記事の情報源(科学者、IEI-EMFの人、政治家など)と前述の3項目との関連を調べた。その結果、60編のうち、EMFを主な原因とした記事は43編(71.7%)、電磁界以外を主な原因とした記事は13編(21.7%)、原因を論じなかった記事4編(6.7%)であった;対処法に触れなかった記事29編(48.3%)、電磁界低減対策に触れた記事24編(40.0%)、補完代替療法に触れた記事の割合12編(20.0%)であった;IEI-EMFの人を情報源とした場合にEMF原因説や未証明の対処法を書く傾向が有意に高くなった;科学者を情報源とした場合にEMF以外の原因説を書く傾向が高くなった、と報告している。

リスク認知

影響評価項目

ばく露

調査対象集団

newspaper articles discussing idiopathic environmental intolerance attributed to electromagnetic fields (IEI-EMF), published in British newspapers between January 2006 and December 2011.

この論文に対するコメント