[ヒト骨細胞株の遺伝子発現に対する低周波電界の影響] med./bio.

Effect of low frequency (LF) electric fields on gene expression of a bone human cell line

掲載誌: Electromagn Biol Med 2014; 33 (4): 289-295

この研究は、ヒト骨肉腫由来骨芽細胞株(SaOS-2)の遺伝子発現に対する低周波電界の影響を調べた。現在臨床使用されている骨の病気の治療装置(イタリアIGEA社製)から発生する低周波電界(peak-to-peak電圧24.5V 、60Hz正弦波信号を12.5Hz、デューティサイクル50%の矩形波振幅変調したもの)を利用して、細胞が入ったフラスコを容量結合型電界ばく露した(1時間)。標本の電流密度は4 μA/cm2であることを理論および測定により確認した。ばく露群と擬似ばく露対照群細胞から抽出したRNA標本について、全mRNA発現レベルをDNAマイクロチップ法で系統的に解析した。その結果、ばく露の直後および4時間後の標本では変化したmRNA種は観察されなかった;24時間後の標本では、若干の変化が観察された(カットオフ値を±1.5倍とした場合、下方調節7種、上方調節3種;同値を±1.3倍とした場合、それぞれ38種、11種);変化した種のほとんどは、転写因子コードするmRNAおよびDNA結合タンパクであった、と報告している。

ばく露