[ヒト無線周波ばく露研究における脳電図電極アーティファクトおよび熱リプルのモデリング] dev./impl.

Modeling of EEG electrode artifacts and thermal ripples in human radiofrequency exposure studies

掲載誌: Bioelectromagnetics 2014; 35 (4): 273-283

この研究は、無線周波電磁界RF)の脳電図(EEG)への影響研究の評価に係わる問題として、頭部に装着したEEG電極の存在自体がEEGデータに与える影響の可能性について、3つの仮説的原因をモデル計算とファントム実験で検討した:(1) RFと電極とのカップリングによる誘導電界の増加(複数の電極ならびにリード線の電磁界に対する向きのワーストケースを考慮)、(2) その結果として生じる電極周辺の温度上昇、(3) 頭部に限局したRFパルス電磁界ばく露による温度上昇リプル(脈動)の伝搬(電極の有無を考慮)。その結果、電極の存在による誘導電界の増加分は<20%に留まり、仮説(1)は棄却された;解剖学的モデルでのシミュレーション計算で、電極配置がワーストケースの場合、脳の温度増加分は<0.1℃、皮膚では0.31℃に留まったため、仮説(2)は棄却された;同じくシミュレーション計算した温度上昇リプルは、GSM信号(パルス周波数217Hz、ピーク対平均比PAR=8.32)の場合 <0.001℃、よりエネルギーの高いパルス信号(10Hz、PAR=50)では電極有りで <0.004℃、電極無しで<0.001℃となり、仮説(3)は棄却された,と報告している。

ばく露