[高強度ナノ秒パルス電界による細胞膜穿孔の原子-連続体法による電気的分析] tech./dosim.

この研究は、高強度のナノ秒パルス電界（nsPEFs：強度はMV/mレベル）により、細胞膜にナノメータサイズの孔が一時的に形成される現象のメカニズムを検討した。この電気穿孔において水分子双極子が重要な役割を果たすことは明らかにされているが、穿孔開始の特性は不明であるとして、この点の解明に取り組んだ。高強度のnsPEFsにばく露した均一な脂質2重層での穿孔形成を発動する静電的相互作用について、分子動力学シミュレーションと準静的3次元有限差分法を組み合わせて分析した。この方法により、原子レベルの詳細およびサブナノ秒の解像度を伴って、生体膜内の電位、電界強度、電界勾配の3次元プロファイルが示された。結果として、実験で観察されるいくつかの動的現象を描写、解明した；今後の開発のフレームワークを提案した、と報告している。