この総説は、磁気共鳴イメージング（MRI）に用いられる3種類の電磁界（静磁界、kHz帯の勾配磁界、MHz帯のRF電磁界）による遺伝子損傷の研究（細菌からヒト細胞まで）のレビューである。著者の総括は、これまでの研究のデータは全般的にみて、十分な情報性、有用性に乏しい；その理由は、標本サイズが小さい、不適切な実験群比較などである；また、ばく露群で観察された損傷増加についてが､その後に考えられる多様な事象の視点からの探索がない､と述べている。実験プロトコルおよび遺伝的／エピジェニックの損傷の評価項目を共通化した包括的なマルチセンター方式の国際共同研究を行い、合わせて大規模な疫学調査を実施すれば、イン・ビトロ、イン・ビボでMRI電磁界のばく露をうけた細胞における遺伝子損傷の研究が示している不確かさは低減､おそらくは消滅することが保証される､という見解を述べている。
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