この研究は、年齢、性別、個人差に伴う頭部の解剖学的多様性が、電気けいれん療法（ECT）および磁気けいれん療法（MST）における誘導電界特性に及ぼす影響を定量的に検討した。解剖学的多様性を反映させるべく組織層の厚さや導電性を変化させたいくつかの球形頭部パラメトリックモデルに、6つの療法が生じさせる電界を有限要素法で計算した。6つの療法は、ECT3種類（両側型ECT、右片側型ECT、FEAST）、MST3種類（円形コイル式、キャップコイル式、双円錐型コイル式）である。その結果、頭蓋骨の導電性がECT電界に最も大きく影響する；MST電界は、組織導電率の変動には影響されないが、頭部の直径の違いに大きく影響される；解剖学的変動に起因する刺激空間の広がりの差は、従来のパルス数調整による投与量の設計手法では補償できない、と報告している。
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