[電磁過敏症:理解が難しい環境に起因する機能障害] basics

Electrohypersensitivity: a functional impairment due to an inaccessible environment

掲載誌: Rev Environ Health 2015; 30 (4): 311-321

(抄録全訳)スウェーデンでは、電磁過敏症は、環境のみが原因として暗示される機能的​​障害と認識されている。スウェーデンの考え方では、このような障害を持つ人には最大限の法的保護が与えられる。与えられるものは、無料あるいは国家助成金や自治体の経済的補助で利用可能な対策を取る権利、彼らに専門のオンブズマン(市町村、EU、UNの各レベルで)を備える権利、障害者団体を組織し、国内および国際的カウンターパートとして活動する権利と経済的手段である。これらは全て、機能的障害を持つ電磁過敏症者が平等を基盤とする社会で平等な生涯を送ることを可能にするという明白で唯一の目的としたものである。彼らは患者とはみなされず、決定的な医学的診断はなされない。“病んでいる”のは、劣等で潜在的に有害な環境であるにすぎない。ただし、このことは、機能的障害のある人の主観的症状が医師により治療できない、あるいは職場の病気休暇や経済補償を取得できないという意味ではない。2000年以降、そのような症状はInternal Code of Diagnosesに分類されている(ICD-10; R68.8/現在はW90)が、根底にある原因は環境とされたままである。
(JEIC注)
本文のInternal Code of Diagnosesはいわゆる国際疾病分類(International Classification of Disease)ではないため、国際疾病分類のICD-10; R68.8/ W90そのものを指すものではない。ちなみに国際疾病分類において、ICD-10; R68.8は、「全身症状及び徴候」項内の細分類における「その他」である。
W90は「その他の非電離放射線へのばく露」とだけ記され、疾患名はなく、Non-Billable Code(保険支払い請求できないコード)の表示がなされている。
米国のICD-10-CM便覧には、以下の注記が添えられている。
   W90は支払い請求できないICD-10-CM診断コードであり、医学的診断の指定に使用できない。
   これは米国のICD-10-CM版のW90である。他のICD-10版は異なる可能性がある。

ばく露