[マウスの精母細胞由来細胞における携帯電話様の無線周波電磁界によるエックス線誘導性アポトーシスの増強] med./bio.

Enhancement of X-ray Induced Apoptosis by Mobile Phone-Like Radio-Frequency Electromagnetic Fields in Mouse Spermatocyte-Derived Cells

掲載誌: Int J Environ Res Public Health 2017; 14 (6): E616

この研究は、無線周波RF電磁界とエックス線との複合作用を調べるため、マウス精母細胞由来細胞(GC-1)を1950 MHzのRF電磁界比吸収率SAR)=3 W/kg、24時間単独ばく露またはエックス線(6 Gy)との複合ばく露)にばく露した。ばく露後、細胞増殖レベルを3-(4,5-ジメチル-2-チアゾリル)-2,5-ジフェニル-2-H-テトラゾリウムブロミド(MTT)アッセイおよび5-ブロモ-2-デオキシウリジンBrdU酵素結合免疫吸着(ELISA)アッセイで調べた。また、アポトーシスのレベルをアネキシンVフローサイトメトリアッセイ、トランスフェラーゼ媒介デオキシウリジンリン酸 - ビオチンニック末端標識(TUNEL)アッセイおよびカスパーゼ-3活性アッセイで調べた。その結果、RF単独ばく露後、GC-1細胞の増殖およびアポトーシスのレベルに変化は認められなかった。但し、エックス線群と比較して、RF+エックス線群では増殖レベルが有意に低下し、アポトーシス率が有意に上昇した。更に、Bcl-2タンパク質発現有意な減少およびBaxタンパク質発現の増加が認められた。著者らは、これらの知見は、3 W/kgのSARでのRFばく露は単独ではGC-1細胞の増殖およびアポトーシスに影響しないが、エックス線による増殖の阻害およびアポトーシスを強め、これにはB細胞リンパ球-2(Bcl-2)およびBcl-2関連Xタンパク質Bax)が関与しているかも知れないことを示唆している、と結論付けている。

ばく露

研究助成