[900 MHz無線周波電磁界にばく露したマウスの骨髄間質細胞における適応応答:ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)のインパクト] med./bio.

Adaptive response in mouse bone marrow stromal cells exposed to 900MHz radiofrequency fields: Impact of poly (ADP-ribose) polymerase (PARP)

掲載誌: Mutat Res Genet Toxicol Environ Mutagen 2017; 820: 19-25

この研究は、無線周波RF電磁界ばく露骨髄間質細胞(BMSC)にポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼPARP)を誘導し得るかどうか、また、それがRFによる適応応答において役割を担っているかどうかを調べた。BMSCを電力密度が120 μW/cm^2の900 MHzのRFに3時間/日、5日間ばく露した後、遺伝毒性線量である1.5 Gyのガンマ線照射した。一部の細胞は、PARP-1の強力な阻害剤である3-アミノベンザミド(3-AB、最終濃度2 mM)でも処理した。非ばく露対照群および偽ばく露対照群、ならびに陽性対照群(ガンマ線照射群)も実験に含めた。PARP-1 mRNA発現とそのタンパク質レベル、ならびにDNA単鎖切断とその修復動態を、ばく露後の複数の時点で評価した。その結果、(a) RFに単独ばく露した細胞では、偽ばく露群またはガンマ線単独照射群(陽性対照群)と比較して、PARP-1 mRNA発現とそのタンパク質レベルの有意な増加が認められた;(b) 3-ABで処理したRFばく露群では、PARP-1の増加が消失した;(c) RFばく露ガンマ線照射群では、ガンマ線単独照射群(陽性対照群)と比較して、遺伝的損傷が有意に減少し、修復動態が加速した;(d) RFばく露+3-AB処理+ガンマ線照射群では、遺伝的損傷の減少は認められなかった。著者らは、これらのデータは全体として、RFばく露適応応答において役割を担っているPARP-1を生じ得ることを示唆している、と結論付けている。

ばく露