[10 GHzから1 THzまでの電磁界への皮膚のばく露のモンテカルロシミュレーション] tech./dosim.

この研究は、10 GHzから1 THzまでの電磁界への人体ばく露を評価した。多層平面モデルについて一次元のマクスウェル方程式および生体熱方程式の境界値問題を解くことで、エネルギー吸収および温度上昇を評価した。1 THzまでの周波数についての体温での誘電特性をイン・ビトロで測定した。人体の個人差による組織の厚みのばらつきを考慮して、皮膚表面への透過率のばらつき、および体内での温度上昇を評価するため、モンテカルロシミュレーションを実施した。更に、先行研究とこの研究での測定値との大きな相違が認められている、温度上昇に対する脂肪組織の誘電特性のインパクトも調べた。その結果、脂肪組織の誘電特性は30 GHz超の周波数では温度上昇にインパクトを及ぼさないことがわかった。ミリメートル波およびテラヘルツ波ばく露における温度上昇に基づく皮膚の火傷の潜在的リスクを検討した。更に、国際非電離放射線防護委員会（ICNIRP）のガイドラインにおける基本制限への整合性についても検討した。