研究のタイプ: レビュー/メタ分析

[欧州における日常的な微小環境での無線周波電磁界ばく露:系統的文献レビュー] review

Radiofrequency electromagnetic field exposure in everyday microenvironments in Europe: A systematic literature review

掲載誌: J Expo Sci Environ Epidemiol 2018; 28 (2): 147-160

この論文は、欧州における日常的な環境中の無線周波RF電磁界ばく露の分布に関する文献を系統的にレビューし、欧州諸国で実施された各種のRF電磁界研究の重要な特徴を要約することを目的とした。スポット測定、訓練を受けた研究者による個人測定、ボランティアによる個人測定のいずれかの方法でRFばく露レベルを評価した、2000年1月1日から2015年4月15日までに発表された関連文献をISI Web of Scienceで検索した。評価に含めるクライテリアを満たした21報のうち、10報がスポット測定、5報が研究者による個人測定(微小環境)、5報がボランティアによる個人測定、1報がボランティアと研究者による収集データを組合せた研究であった。調査対象の研究におけるRF電磁界データは、2005~2013年に収集されたものであった。欧州の「住居」および「屋外」の微小環境でのスポット測定についてのRFばく露の合計の平均は、それぞれ0.29および0.54 V/mであった。訓練を受けた研究者による個人測定では、RFばく露の合計の平均は、「住居」で0.24 V/m、「屋外」で0.76 V/mであった。ボランティアによる個人測定では、RFばく露の合計の平均は、「住居」で0.16 V/m、「屋外」で0.20 V/mであった。欧州の微小環境全体での「交通機関」では、RFばく露の合計の平均の最大値は、ベルギーの鉄道で2007年に認められた1.96 V/mで、ばく露の95%はアップリンクが寄与していた。典型的なRF電磁界ばく露レベルは規制上の限度値よりも大幅に低かった。著者らは、測定手順によって研究間で相当の差があるため、国際比較または時間的傾向性の評価が困難であり、典型的なRFばく露レベルを精密に同定するため、比較可能な日常環境中のRFモニタリングのコンセプトが必要である、としている。

影響評価項目

ばく露