研究のタイプ: レビュー (医学/生物学の研究)

[磁界と活性酸素種] review

Magnetic Fields and Reactive Oxygen Species

掲載誌: Int J Mol Sci 2017; 18 (10)

活性酸素種ROS)は哺乳類細胞内にはどこにでも存在し、各種の細胞シグナル伝達経路に関与している。細胞内のROSレベルは、ROSの発生と排除との動的平衡に依存している。このレビューは、ROSに対する磁界の影響力についての研究をレビューしている。ほとんどの場合、磁界はヒト、マウス、ラット細胞および組織におけるROSレベルを増加させると報告されているが、ROSレベルの減少または変化なしを示した研究もある。この相違を生じ得る要因は複数あり、これには、磁界の種類/強度/周波数、ばく露時間、分析アッセイを実施したタイミング、調査対象の生体サンプルの違いが含まれる。各種の生体サンプルにおけるROSに対する異なる磁界の影響力を、系統的・機械論的に調査する必要があり、そうすることで、磁界による生物学的影響の更なる理解に資することになる。加えて、ROSの変調における磁界の役割をレビューすることで、磁界の医療応用、特にROSの病態生理学的役割が認められる疾病への新たなシナリオが開けるかも知れない、と著者らは述べている。

影響評価項目

ばく露