[広範にチューニング可能な波源を用いて70-300 GHz照射にばく露した細胞の非熱作用の調査] med./bio.

Investigation of the non-thermal effects of exposing cells to 70-300 GHz irradiation using a widely tunable source

掲載誌: J Radiat Res 2018; 59 (2): 116-121

この研究は、正常なヒト皮膚線維芽細胞(NB1RBG)及びヒト神経膠芽腫細胞(A172)の増殖及び活性に対する、70-300 GHzの広範な周波数にチューニング可能な波源を用いた、低電力ミリ波の長期照射の非熱影響を調べた。ミリ波波源を細胞培養インキュベータ内に設置した。ミリ波照射による熱の発生の影響を避けるため、強度は10 μW以下に維持し、細胞の下から照射するように装置を配置した。70 GHzから300 GHzまで1.0 GHz刻みで照射を掃引した。ミリ波波源は細胞培養コンテナから100 mm離して配置した。細胞ミリ波に3、70または94時間ばく露した。交流測定法を用いて細胞増殖を測定した。その結果、ミリ波ばく露群と非ばく露群で増殖に差は認められなかった。新規のテトラゾリウム化合物による比色法を用いたところ、ミリ波ばく露群と非ばく露群で細胞活性及び毒性に差は認められなかった。この研究では、70-300 GHzへのばく露の結果、細胞非熱作用は認められなかった、と著者らは結論付けている。

ばく露