研究のタイプ: レビュー/サーベイ論文

[6 GHz超の周波数でのRFばく露評価のための組織モデル] review

Tissue models for RF exposure evaluation at frequencies above 6 GHz

掲載誌: Bioelectromagnetics 2018; 39 (3): 173-189

6 GHz超の無線周波RF)エネルギーへのばく露は、エネルギー浸透深度が浅く、一般的には皮膚に限定されることが特徴であるが、結果的に生じる皮膚温度の上昇は、主に皮下層における熱輸送によって決まる。エネルギー反射吸収、及び電力密度分布の詳細な分析には、皮膚の各層の特性とその変動についての知識を要する。この研究は、3または4層(角質層、表皮+真皮、皮下脂肪筋肉)で構成される解剖学的に詳細なモデルを検討した。異なる組織層に吸収されるエネルギーの分布を、皮膚から反射したミリ波波長のエネルギーの測定値、ならびに脂肪及び筋肉電気的特性についての文献データから推測した組織層の電気的特性に基づいて推定した。加えて、Pennes生体熱方程式、ならびに、(実験で認められた温度上昇に良くフィットする)血流量依存性の熱伝導率を組み込んだ改良版を用いて、モデルの熱的応答を取得した。皮膚層のみでの表面化熱を仮定した、大幅に単純化した3層モデル(真皮、脂肪筋肉)では、表皮温度の上昇に対する異なる皮膚層の寄与が明らかになった。このモデルは、RFエネルギーがほぼ完全に皮膚層に吸収される場合でさえも、表面温度の上昇は、多くの状況下で、皮下組織の耐熱性によって決まることを示している、と著者らは結論付けている。また、このモデルの妥当性の限界、ならびに安全基準の策定に対するその重要性についても簡単に論じている。

ばく露