研究のタイプ: 医学/生物学の研究

[電磁界はシスプラチン[抗がん剤の一種]の細胞毒性からSH-SY5Y細胞を防護できるが、MCF-7細胞は防護できない] med./bio.

Electromagnetic Field Could Protect SH-SY5Y Cells Against Cisplatin Cytotoxicity, But Not MCF-7 Cells

掲載誌: DNA Cell Biol 2018; 37 (4): 330-335

シスプラチンモルヒネ電磁界酸化ストレスを生じる。この研究は、シスプラチンモルヒネまたは電磁界との組合せによる、MCF-7及びSH-SY5Y細胞での細胞毒性の増強を試みた。更に、両細胞での抗酸化遺伝子11個の発現レベルを評価した。シスプラチン単独、シスプラチンモルヒネシスプラチン電磁界シスプラチンモルヒネ電磁界細胞を処理した。相対的な50%阻害濃度(IC50)の推定のため、シスプラチンモルヒネ濃度は5.0 μM、電磁界は50 Hz、0.5 mT、15分間オン/15分間オフを用いた。抗酸化遺伝子のmRNA発現レベルをリアルタイムPCRで判定した。その結果、どちらの細胞株でも、シスプラチンモルヒネ電磁界処理群におけるシスプラチンのIC50値は、シスプラチン単独処理群またはシスプラチンモルヒネ処理群よりも有意に高かった。MCF-7細胞では、4つの処理群の抗酸化遺伝子発現レベルに同様のパターンが見られたが、SH-SY5Y細胞では、シスプラチン電磁界処理群、及びシスプラチンモルヒネ電磁界処理群のほとんどの抗酸化遺伝子上方制御が見られた。更に、SH-SY5Y細胞では、異なる処理群間で上方制御した遺伝子の数に有意差が認められた。本研究デザインにおけるシスプラチンによる細胞毒性の減少の分子機序は、MCF-7とSH-SY5Yで恐らく異なる。シスプラチン電磁界との組合せは、SH-SY5Yを細胞毒性から防護するが、MCF-7では有意な変化はなかった、と著者らは報告している。

ばく露

研究助成