この研究は、無線周波(RF)放射にばく露されたラット初代星状細胞における遺伝毒性、補助的遺伝毒性、ゲノム不安定性の誘導を調べた。ラット初代星状細胞を872 MHzのGSM変調または連続波RFに比吸収率(SAR)0.6または6.0 W/kgで24時間ばく露した。メナジオン(MQ)及びメタンスルホン酸メチル(MMS:遺伝毒性実験のみ)を共ばく露に用いた。アルカリ・コメットアッセイ及びフロー・サイトメトリ小核スコアリングを用いて遺伝的損傷を検出した。その結果、RF単独またはMQとの複合処理では、ゲノム不安定性の誘導は認められなかった。RF単独には遺伝毒性はなかった。RFを化学物質ばく露と組合せた場合、若干の統計的有意差が認められた:GSM変調RFとMQにばく露した細胞では、6.0 W/kgでDNA損傷が増加したが、0.6 W/kgでは減少した。0.6 W/kgの連続波RFとMMSにばく露した細胞では小核形成頻度が上昇した。6.0 W/kgのGSM変調RFばく露は、ラット初代星状細胞におけるゲノム不安定性の誘導または増強を生じなかった。RF単独での遺伝毒性がないことは、複数の実験で説得力をもって示された。この結果からは、RFと遺伝毒性化学物質の補助的遺伝毒性は一貫性を持って支持されなかった、と著者らは結論付けている。
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