研究のタイプ: サーベイ

[携帯電話からの電磁界へのばく露とヒトの集中力:因果関係の証拠なし] review

Exposure to Mobile Phone-Emitted Electromagnetic Fields and Human Attention: No Evidence of a Causal Relationship

掲載誌: Front Public Health 2018; 6: 42

携帯電話からの電磁界がヒトの認識機能に及ぼす影響に関する過去20年間の研究において、集中力は最も包括的に調査されてきたものの一つである。この論文は、このトピックについての重要な論文をレビューしている。合計43報の研究が報告されており、そのうち31報で、全体として実ばく露と疑似ばく露との統計的有意差がないことが示され、9報で集中力遂行能力の部分的な改善(主に遂行能力の速度及び/または精度の向上)が実ばく露の関数として示されているが、残りの3報では一貫性のない結果(即ち、ある課題では速度上昇、別の課題では速度低下)、または遂行能力の低下(速度の低下及び/または精度の悪化)が示されている。これらの結果は調査した特定の集中力領域(選択的集中力、持続注意力、分割注意力)に対して独立であった。著者らは、非電離放射線が集中力機能に及ぼす負の影響力については証拠が大幅に不足している、と結論付けている。また、刊行済みの文献は方法論(信号の種類、ばく露時間、盲検化)、ドシメトリ(SARまたは放射電力の正確な評価)、統計的分析の観点で非常に不均質であり、日常生活に対する一般化は困難である、と指摘している。

影響評価項目

ばく露