[磁気共鳴方式ワイヤレス電力伝送に用いられるアンテナからのヒト頭部におけるSAR分布の分析] tech./dosim.

Analysis of SAR distribution in human head of antenna used in wireless power transform based on magnetic resonance

掲載誌: Technol Health Care 2017; 25 (S1): 387-397

この研究は、ヒト頭部に植込み可能なデバイス用の新規のワイヤレス電力伝送アンテナシステムのデザインを報告している。このアンテナは3枚のプレートと4つのコイルで構成され、電力伝送のために近傍界低周波で動作する。ヒト頭部への安全性を検証するため、電磁界強度及び比吸収率SAR)を有限差分時間領域(FDTD)法で調べた。皮膚、骨、脳組織を含むヒト頭部の3層モデルを構築し、送受信アンテナをモデルの内部及び外部に設定した。18.67 MHzの共鳴周波数での局所及び平均SARを、2つのシナリオ(送受信コイルが両方とも動作、送信コイルのみ動作)でシミュレートした。その結果、ヒト胸部の10 g平均SARの最大値は、それぞれのシナリオについて0.142及び0.148 W/kgで、いずれも国際非電離放射線防護委員会ICNIRP)及び米国連邦通信委員会(FCC)の人体防護ガイドライン以下であり、磁気共鳴方式のワイヤレス電力伝送の安全性が検証された、と著者らは結論付けている。

ばく露