[水生生物の長期培養に対する大きな勾配の強磁界の影響:プラナリアの例] med./bio.

Effects of large gradient high magnetic field (LG-HMF) on the long-term culture of aquatic organisms: Planarians example

掲載誌: Bioelectromagnetics 2018; 39 (6): 428-440

大きな勾配の強磁界(LG-HMF)は、生物に対する重力の変化の影響を調べるための強力なツールである。この研究は、地上で3段階の見かけ上の重力レベル(微小重力、通常重力、通常の2倍の重力)及び対照条件を生じることができるLG-HMFを有する特別な超伝導磁石をベースにした、水生生物の長期培養のためのプラットフォームをデザインした。プラナリア(Dugesia japonica)を断頭し、頭部再生のためにプラットフォーム内で5日間培養した。頭部再生後、全ての切片を超伝導磁石から取り出し、地磁気及び通常重力の条件下で行動学的試験を実施した。4群間の差異を分析するため、プラナリアの頭部再生率、光走性応答、移動速度、立ち直り行動を検討した。その結果、シミュレートした重力変化の下で、頭部再生率に有意差は認められなかった。行動学的試験の統計的分析では、全ての群で光走性応答の正常な機能が見られたが、微小重力環境下で頭部再生したプラナリア移動速度が有意に緩慢で、立ち直り行動により多くの時間を費やした。更に、組織学的染色及び免疫組織化学の結果、プラナリアの運動系がシミュレートした微小重力環境による影響を受けたことがわかった。更に、微小重力下では環状筋が弱まり(ヘマトキシリン及びエオシン染色)、上皮繊毛が減少した(抗アセチル化チューブリン染色)、と著者らは報告している。

ばく露