[MRIの現場でのdB/dt評価:ICNIRPの(労働者に対する)閾値を超えるか?] tech./dosim.

dB/dt Evaluation in MRI Sites: Is ICNIRP Threshold Limit (for Workers) Exceeded?

掲載誌: Int J Environ Res Public Health 2018; 15 (7): E1298

欧州指令2013/35/EUは、静磁界及び時間変動磁界への労働者のばく露に対する基準を確立している。これらの限度は、国際非電離放射線防護委員会ICNIRP)のガイドラインに基づき、体内誘導電界で示されるが、その測定は複雑なため、理論的モデルが開発されている。この研究は、二つのクラスの磁気共鳴画像撮影(MRI)従事者に対する変動磁界ばく露を実験的に評価した。測定は4種類のMRI装置(0.35 Tが1種類、1.5 Tが2種類、3.0 Tが1種類)について実施した。定常状態、緊急状態、コールドヘッド[熱によって気化した冷却用液体ヘリウムを再凝縮させる部品]の保守/交換時に、ポケットサイズの磁界ドシメータを用いて測定を実施した。取得したデータを処理し、最初の導出値として対応するdB/dt[磁束密度の時間微分]曲線を計算した。規制限度値への適合性評価のため、荷重ピークアプローチも実施した。その後、dB/dtのピーク値をICNIRPの参考レベルと比較した。その結果、3.0 Tスキャナでは常に、1.5 Tでは一部の測定時に、参考レベルを超えることが示された。このことから、超高強度のMRIスキャナの普及には、数値的なアクションレベルよりも利用しやすい行動規範の導入が必要である、と著者らは結論付けている。

ばく露