研究のタイプ: 疫学研究

[5歳児の無線周波電磁界、画面視聴時間、ならびに感情的及び行動学的問題] epidem.

Radiofrequency electromagnetic fields, screen time, and emotional and behavioural problems in 5-year-old children

掲載誌: Int J Hyg Environ Health 2019; 222 (2): 188-194

この研究は、異なる発生源からの無線周波RF電磁界へのばく露及びデジタルデバイスの画面視聴時間と、5歳児の感情的及び行動学的問題との関連を、オランダの「アムステルダム生まれの子どもとその発育(ABCD)研究」からの3102人の子どもを対象とした横断的研究で調べた。携帯電話基地局からの居住環境でのRFばく露を、3D地理空間電波伝播モデルで推定した。屋内のRF発生源の存在(コードレス電話親機、Wi-Fi、子どもの携帯電話及びコードレス電話での通話、画面視聴時間(コンピュータ/ビデオゲーム、TV)を母親が報告した。子どもの感情的及び行動学的問題を教師(n = 2617)及び母親(n = 3019)が独立して「子どもの強さと困難さアンケート(SDQ)」を用いて報告した。その結果、携帯電話及びコードレス電話での通話と、感情的及び行動学的問題との関連は認められなかった。基地局からのより高いレベルのRFにばく露された子どもは、母親が報告した感情症状のオッズが高かった(オッズ比OR)= 1.82、95%信頼区間(CI)= 1.07-3.09)。自宅にコードレス電話がある子どもは、教師が報告した向社会的行動の問題(OR = 0.68、95% CI = 0.48-0.97)及び母親が報告した友達関係の問題(OR = 0.61、95% CI = 0.39-0.96)のオッズが低かった。TVを1.5時間/日以上視聴していた子どもは、母親が報告した多動性/不注意のオッズが高かった(OR = 3.13、95% CI = 1.43-6.82)。頭部への高いRFばく露につながる携帯電話及びコードレス電話での通話は、5歳児の感情的及び行動学的問題とは関連していなかった。RFばく露にほとんど寄与しない基地局及び屋内発生源からのRFへの環境ばく露、ならびにTV視聴は、いずれも特定の感情的及び行動学的問題と関連していたが、これは主に母親の報告によるものであった。但し、その他の交絡因子や逆因果関係の可能性は否定できない、と著者らは結論付けている。

ばく露

研究助成