[磁界にばく露したラットの卵巣組織の損傷の防止におけるメラトニンの役割] med./bio.

The role of melatonin in preventing ovarian tissue damage in rats exposed to magnetic fields

掲載誌: Turk J Med Sci 2018; 48 (5): 1073-1079

この研究は、磁界ばく露したラット卵巣組織損傷の防止におけるメラトニンの効能を調べた。ラット40匹を4群(対照群メラトニン投与群(10 mg/kg)、磁界ばく露群(20 μT、30分間/日、10日間)、磁界ばく露メラトニン投与群、各10匹)に割付けた。卵胞数、線維症の度合い、癒着の量、アポトーシスの量、卵巣の大きさ、濾胞変性についての群間の差異を、11日目の卵巣切開により評価した。その結果、磁界ばく露群では磁界ばく露メラトニン投与群と比較して、濾胞変性線維症、癒着が増加したが、統計的に有意ではなかった。対照群及びメラトニン投与群では、磁界ばく露群及び磁界ばく露メラトニン投与群と比較して、アポトーシスのスコアが有意に低かった。磁界ばく露群では卵巣の大きさが有意に減少し、濾胞変性が有意に増加した。より多くの量のメラトニンを経口投与していれば、非細胞毒性・抗アポトーシス剤となったかも知れず、磁界による微細構造レベルでの卵巣組織損傷を防止する効果があったかも知れない、と著者らは結論付けている。

ばく露