[斜入射角の6 GHz-1 THz電磁波へのヒトの皮膚ばく露に対する電力密度と表面温度上昇との関係] tech./dosim.

Relationship between power density and surface temperature elevation for human skin exposure to electromagnetic waves with oblique incidence angle from 6 GHz to 1 THz

掲載誌: Phys Med Biol 2019; 64 (6): 065016

この研究は、各種のばく露条件下での電力密度皮膚表面の温度上昇との関連を明らかにするため、6 GHz - 1 THzの斜入射角の電磁波へのヒトの皮膚ばく露を調べた。モンテカルロシミュレーションにより、皮膚組織の厚さのばらつきを考慮して、透過率及び皮膚温度の上昇を評価した。TM波[transverse magnetic wave]の場合、垂直入射からの入射角の増加に伴い、ブリュースター効果により透過率が上昇する。入射電力密度が伝播方向に直行する面積で定義される場合、垂直入射が最悪ケースのばく露条件であることが確認された。加えて、皮膚表面に同等の温度上昇を得るのに必要な電力密度を調べた。分析の結果、皮膚表面に直行する方向で定義される入射電力密度は、TM波が垂直入射を超えて最大透過角まで入射される場合、温度上昇の過小評価となるかもしれないことが示された。また、皮膚表面内部での電力密度は表面の温度上昇と強く相関しているが、周波数にはさほど依存せず、斜入射角及び偏波には依存しないことも示された。これらの知見は、ミリ波及びサブミリ波ばく露による過剰な温度上昇からの人体防護のための安全ガイドラインにおける尺度としての、ドシメトリ的特徴に基づく電力密度の異なる定義をどのように用いるかについての議論に資するものとなるであろう、と著者らは結論付けている。

ばく露