[電磁的ドシメトリのためのヒト頭部の皮膚の厚さのモデリング] tech./dosim.

定位［in situ］電界の定量的評価の際、通常の人体モデルには限界があるため、解剖学的人体モデルが一般的に用いられている。通常の人体モデルの限界はモデルの解像度（一般的には数mm）によるが、これは元々の医療用画像の解像度に帰結される。電磁界への人体ばく露についての国際的な規格制定組織による研究課題では、皮膚層の重要性が特に示唆されている。この研究は、通常のモデルにも適用可能な、人体頭部の皮膚のモデリングの精度向上のための新規の方法を提唱している。定位電界の計算値に対する皮膚のモデリングの影響を証明するため、一様な磁界ばく露、ならびに経頭蓋磁気刺激について計算ドシメトリを実施した。その結果、一様なばく露に対する定位電界は、国際的な安全基準に用いられている異なる評価尺度について、皮膚の厚さ及びモデルの解像度に僅かに影響された（最大5%）。但し、経頭蓋磁気刺激中及びシミュレートした電気シェーバー（非一様な磁界ばく露）の皮膚での定位電界は11%影響され、これは意図せぬばく露の副作用を考慮した最適な脳刺激の検討に値するであろう、と著者らは結論付けている。