[無線周波電磁界ばく露と安静時EEG[脳電図]:熱的機序仮説を探究する] med./bio.

Radiofrequency Electromagnetic Field Exposure and the Resting EEG: Exploring the Thermal Mechanism Hypothesis

掲載誌: Int J Environ Res Public Health 2019; 16 (9): e1505

無線周波RF電磁界ばく露がヒトの脳電図(EEG)に影響力を及ぼすという強い証拠がある。安静時EEGのアルファ帯への影響が繰り返し示されているが、その根底にある機序は確立されていない。この研究は、良好に制御された方法を用いて、EEGに対するRF電磁界ばく露の影響を評価し、その影響に熱が介在しているかどうかを判定した。健康成人36人が、無作為化・二重盲検・カウンターバランス誘発試験に参加した。環境の影響力を打消し、皮膚温度を安定化させるため、参加者は実験中を通じて水循環スーツ(34℃)を着用した。参加者は実験に4回参加した(1回目は較正セッション、残り3回はばく露セッション)。各ばく露セッション中、ベースラインならびに920 MHzのGSM様信号への30分間のばく露擬似ばく露、低ばく露(1 W/kg)、高ばく露(2 W/kg))中、EEG及び皮膚温度(8部位)を連続的に記録した。その結果、先行研究と同様に、高ばく露条件では疑似ばく露条件と比較して、EEGのアルファ帯の活性が上昇した。低及び高ばく露条件では擬似ばく露条件と比較して、体温調節活性化の尺度としての指の温度上昇が認められ、EEGへの影響は体温調節の変化を伴うことが初めて示され、EEGに対するRF電磁界の影響は熱的機序と整合することが示唆された、と著者らは結論付けている。

ばく露