[欧州市民の異なる環境経路を通じた複数のストレス要因への生涯ばく露] tech./dosim.

Lifelong exposure to multiple stressors through different environmental pathways for European populations

掲載誌: Environ Res 2019; 179 Pt A: 108744

人々は生涯を通じて環境中の数千ものストレス要因ばく露されるが、それらは時間的・空間的・社会人口統計学的な要因により影響される。既存のばく露研究では通常、一定期間における特定のストレス要因に着目している。これに対し、受胎から死までに経験するばく露の総体として定義される「エクスポソーム」という概念が提起されている。欧州連合(EU)の第7次研究開発枠組みプログラム(FP7)における環境研究プロジェクト”HEALS” は、欧州におけるエクスポソーム研究を効果的に支援するため、一連の新規技術、データ分析、モデリングツールを組み込むことを目的に開始された。この論文の著者らは、選択された人口集団グループの複数のストレス要因への異なる経路を介した長期的な外部ばく露の推定のための、モデリングツールの枠組みを開発した。出発点として、電磁界及び紫外線皮膚からの吸収、フタル酸エステルの吸入、ならびにクロム、水銀、鉛の食品を通じた摂取を含むストレス要因を選択した。微小環境アプローチ、時間‐活動パターン、生涯軌道モデルを統合した確率論的モデルの開発により、複数のストレス要因についてのシミュレーションが実現した。この方法論を、イタリア双子登録(ITR)に参加した被験者サンプルに適用した。その結果、複数のストレス要因への長期ばく露は、年齢、性別、地理的位置、教育レベルに影響されることが示された、と著者らは報告している。

ばく露