[小児科における環境中の無線周波電磁界レベル] tech./dosim.

Environmental radiofrequency electromagnetic field levels in a department of pediatrics

掲載誌: Environ Res 2020; 181: 108894

ワイヤレス通信デバイス(携帯電話、DECT規格コードレス電話、Wi-Fi等)の利用が増加していることから、小児科に入院する新生児無線周波RF電磁界ばく露される可能性があるが、小児科におけるRF電磁界ばく露レベルについてのデータはこれまで報告されていない。この研究は、新生児緊急治療室(NCCU)及び新生児集中治療室(NICU)のある34床の三次小児科部門でのRFレベルを、三軸アンテナドシメータを用いて定量化した。第1セットの測定では、NCCU及びNICUのスタッフエリア及び子どもの部屋の144地点で、RFレベルを24時間にわたって評価した。第2セットはファラデーチャンバー内で実施し、新生児小児科でばく露される可能性のある医療用機器から発せられるRFレベルを測定した。その結果、NCCUではNICUよりもRFレベルが有意に高かった(p < 0.05)。NCCUとNICUでは平均最大値には有意差はなかったが、NCCUで記録された単一の最大値(スタッフエリアで、GSM + UMTS 900(アップリンク)周波数で6 V/m)は、NICUで記録された値(子どもの部屋で、UMTS 2100(アップリンク)周波数で3.70 V/m)の約2倍であった。それぞれの測定地点でのRFレベルが平均値標準偏差の2倍以上越えていた時間については、NCCUとNICUで有意差はなかった。RFレベルは夜間よりも日中で有意に高かった(p < 0.001)。NICUで使用される各種の医療用機器は検出可能なRFを発しなかった。全体として、NCCU及びNICUでのRFレベルは非常に低かった。この研究で測定したRF電磁界は主に、患者及びスタッフの活動によって生じたものであり、医療用機器からではないと考えられる、と著者らは結論付けている。

ばく露