この研究は、900 MHz電磁界へのばく露(60分間/日、28日間)によってラットの精巣に生じるかも知れない影響、ならびに、チモキノン(TQ:10 mg/kg/日)投与が電磁界ばく露の悪影響を低減するかどうかを調べた。雄のWistarアルビノラットの成獣24匹を無作為に4群(対照群、電磁界ばく露群、TQ投与群、電磁界ばく露+TQ投与群)に割付けた。組織学的、立体的、生化学的及び免疫組織化学的手法を用いて精巣サンプルを分析した。その結果、電磁界ばく露群では対照群と比較して、初代精母細胞及び精子細胞、ならびにライディッヒ細胞の総数が有意に減少した(p < 0.05)。電磁界ばく露+TQ投与群では電磁界ばく露群と比較して、初代精母細胞の総数が有意に増加した(p < 0.05)。電磁界ばく露群では対照群と比較して、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)活性が有意に上昇した(p < 0.05)。また、電磁界ばく露群では対照群と比較して、血清テストステロンレベル及び精巣の湿重量は有意に減少した(p < 0.05)。これらの知見は、900 MHz電磁界ばく露はラットの精巣組織に対して悪影響を及ぼすこと、TQ投与は電磁界ばく露による精巣の酸化的損傷を部分的に緩和することを示唆している、と著者らは結論付けている。
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