[Smith-Roe他による「携帯電話の無線周波放射への亜慢性ばく露後の雌雄のラットおよびマウスにおける遺伝毒性の評価」へのコメント] comment

この著者らは、発がん性があるかもしれない因子としての携帯電話に用いられている無線周波（RF）電磁界についての国家毒性プログラム（NTP）バイオアッセイの一部として実施された、ラットおよびマウスの遺伝的損傷試験からの結果を報告したSmith-Roe他による論文にコメントしている。この研究でSmith-Roe他は、二種類のげっ歯類（ラットおよびマウス）を二種類の周波数（900および1800 MHz）、二種類の変調方式（CDMAおよびGSM）、三つのばく露量の比吸収率（SAR、ラットに対して1.5、3、6 W/kg；マウスに対して2.5、5、10 W/kg）のRFエネルギーに、10分間のオン／オフ周期で間欠的に、19週間（ラット）および14週間（マウス）ばく露した。5つの異なる組織（前頭皮質、小脳、海馬、肝臓、末梢血白血球）での遺伝的損傷をアルカリ・コメットアッセイを用いて評価し、末梢血赤血球での小核（MN）分析をフローサイトメトリで実施した。擬似ばく露対照群は二種類の変調方式に対して共通であった。二つのシフトで剖検を実施し、それぞれRFばく露終了後の約4.5-7時間以内に作業を完了した。この著者らは、この研究には深刻な弱点があり、結果の解釈を損なっているとしている。また、実験手法についての問題と統計についての問題の二つについて懸念している。