[1800及び2400 MHzの無線周波電磁界への出生前ばく露後のラットにおける行動及び認知発達の検査] med./bio.

Testing of behavioral and cognitive development in rats after prenatal exposure to 1800 and 2400 MHz radiofrequency fields

掲載誌: J Radiat Res 2020; 61 (2): 197-206

この研究は、1800 MHz及び2400 MHz(Wi-Fi)の無線周波RF電磁界への出生前ばく露後のラットにおける行動及び認知発達への影響を調べた。妊娠した雌ラット妊娠21日目からRF電磁界ばく露し、仔ラット生理学的及び行動学的発達の指標を、Y字型迷路試験(生後3週目)、オープンフィールド試験(生後7週目)で観察し、海馬でのN-メチル-D-アスパラギン酸受容体(NMDAR)の発現(生後9週目)を逆転写PCRで測定した。その結果、1800 MHz ばく露群及び1800 MHz+Wi-Fiばく露群の体重には低下傾向が認められた。Wi-Fiばく露群の新生ラットの開眼時間は対照群よりも早かった。1800 MHz+Wi-Fiばく露群では対照群と比較して、総移動経路が短く、静止時間が遅れた。Wi-Fiばく露群では、Y字型迷路の間違った腕における移動経路が短く、平均速度が高まった。1800 MHz+Wi-Fiばく露群では、Y字型迷路の中央部での移動経路、滞在時間、静止時間が長くなる傾向が認められた。1800 MHz+Wi-Fiばく露群及びWi-Fiばく露群では共に、NR2A及びNR2Bの発現下方制御され、NR2D、NR3A及びNR3Bの発現上方制御された。更に、Wi-Fiばく露群ではNR1及びNR2Cの発現上方制御された。これらの結果から、1800 MHz及びWi-Fi RFへの出生前ばく露は仔ラット行動及び認知発達に影響を及ぼすかも知れず、これは海馬におけるNMDARのmRNA発現の変化と関連しているかも知れない、と著者らは結論付けている。

ばく露