研究のタイプ: レビュー (インプラント/医用機器に関する研究)

[美容目的のための非電離放射線への意図的なヒトのばく露] review

Intended Human Exposure to Non-ionizing Radiation for Cosmetic Purposes

掲載誌: Health Phys 2020; 118 (5): 562-579

この論文は、美容目的で非電離放射線NIR)を利用する機器について論じている。これらの機器には、光放射レーザー、強いパルス光、発光ダイオードLED))、電磁界超音波を用いるものが含まれ、一般的な用途には、脱毛、皮膚の若返り、体型補整、血管皮膚の病変の処理、刺青の除去、瘢痕の縮小がある。NIR美容機器の利用についての大多数の研究は、悪影響または合併症ではなく処理の効果に焦点を当てている。安全性を評価した研究は、ほとんどが症例報告および少数の症例を扱ったものである。報告されている皮膚への一般的な悪影響には、中程度で一過性の痛み、紅斑、腫れ、色素沈着の変化がある。さほど一般的ではない、より深刻な副作用には、火傷、水疱、瘢痕、持続性紅斑、色素沈着の変化、眼の損傷がある。後者の中には、処理の失敗によるものもあるかも知れない。光放射からのリスクがより高いかも知れない特定のグループには、肌が黒い人々、太陽光ばく露が高い人々、光増感性の薬剤または栄養補助剤を投与されている人々が含まれる。妊娠中の美容目的でのNIR利用には安全プロファイルについての証拠がない。美容NIR機器を用いた処理を行う作業者の傷害の報告は稀だが、光機器からの不注意による眼の損傷が生じるかも知れない。美容NIR機器の利用による潜在的悪影響を十分に評価するには、無作為化対照試験が必要である。規制は世界中で異なり、一部の地域では医療機器と同じ安全性分類およびガイダンスが適用されている。国際非電離放射線防護委員会ICNIRP)は、美容機器の利用に関連した有害性を低減するため、全ての種類、全ての周波数の美容NIR機器を網羅する規制を世界中に適用し、その使用に関連した監視を強めることが重要であると見なしている、と著者らは結論付けている。

影響評価項目

ばく露