[スマートモビリティコミュニケーションにおけるヒトのRFばく露の数値的評価] tech./dosim.

Numerical Assessment of RF Human Exposure in Smart Mobility Communications

掲載誌: IEEE J Electromagn RF Microw Med Biol 2021; 5 (2): 100-107

自動車は急速にスマートコネクテッドな[訳注:インターネットに接続された]モノに進化しており、社会基盤との間だけでなく、車両間(V2V)通信を通じて他の車とも接続できるようになっている。2023年末までに、世界中で7200万台を超える車両が他の車とデータ通信できるようなデバイスと技術を実装するようになると予想されているが、それにより人体の無線周波ばく露に関連する新たな問題が生じる。この研究の著者らは、5.9 GHzで動作する現実的なスマートモビリティコミュニケーションのシナリオにおいて誘導される比吸収率SAR)を評価した。V2Vアンテナをモデル化し、現実的な自動車の3Dモデルに設置し、車両内の人体ファントム成人男性)の身体の各部位および組織におけるSARを数値的に推定した。その結果、局所および全身平均ばく露は、国際非電離放射線防護委員会ICNIRP)および電気電子学会(IEEE)の一般公衆に対する100 kHz-6 GHzの帯域での限度値よりも低く、最悪ケースのシナリオではそれぞれ1.58 W/kg(頭部)および0.008 W/kgで等しいことが示された。最も高いSARは発生源の極近傍の最も表面の組織皮膚)で認められた。アンテナから乗員までの距離が、結果的に生じるSARに重要な役割を担っていた、と著者らは報告している。

ばく露