[10 GHz超の反射箱での小動物用の2つのSAR定量化方法を組み合わせることによるSAR精度の向上] tech./dosim.

Improvement of SAR Accuracy by Combining Two SAR Quantification Methods for Small Animals in Reverberation Chamber above 10 GHz

掲載誌: IEEE Access 2020; 8: 138170-138178

10 GHzを超える周波数での生体影響研究用の中型の反射箱での小動物の全身平均比吸収率(WBA-SAR)および局所SARを定量化するため、2つの測定ベースの方法がある。Sパラメータをベースとする方法は、小動物のWBA-SARの定量化のための完全に実験的なアプローチで、Sパラメータで示される平均電力密度および損失電力の測定に基づいている。二段階法は測定とシミュレーションのハイブリッドのアプローチで、平均電力密度を有限時間領域法(FDTD)で計算したWBA-SARおよび特定の臓器における局所SARと関連付けるものである。但し、10 GHz程度の高さの周波数では、反射箱は壁面での損失が無視できないため、通常は理想的ではない。また、数値計算だけを用いたアプローチも、計算負荷が大きく、収束した結果を得ることが困難であるため、SARの定量化には現実的ではない。これらの問題に対処するため、この論文の著者らは、改良型の二段階ハイブリッド法を提唱している。この方法では、Sパラメータをベースとする方法を用いて、WBA-SARを二段階ハイブリッド法のそれとマッチングすることで平均電力密度を導出した後に、その平均電力密度の下で、2段階ハイブリッド法を用いて解剖学的数値計算動物モデルにおいて局所SARを計算する。これにより、局所SARを得られるという長所に加えて、SAR定量化の精度が有意に改善される、と著者らは述べている。

ばく露