[韓国・ソウルの無線通信環境における携帯電話の音声通話に対する脳の電磁界ばく露] tech./dosim.

Brain EM Exposure for Voice Calls of Mobile Phones in Wireless Communication Environment of Seoul, Korea

掲載誌: IEEE Access 2020; 8: 163176-163185

この論文は、韓国のソウルで運用中のワイヤレス通信ネットワーク中の携帯電話送信電力レベルの測定結果、ならびに、測定された平均電力レベルで運用中の携帯電話をユーザーの耳にあてがって保持した状態での音声通話による、脳での比吸収率SAR)の計算結果を報告することを目的として実施された。CDMA2000、WCDMA、LTEネットワークを用いた携帯電話送信電力レベルを、韓国の三大ネットワーク事業者について比較した。その結果、CDMA2000およびWCDMAネットワークでは、実際の平均送信電力レベルは最大電力の0.5%未満であったが、LTEネットワークでは、事業者間の送信電力に極端なギャップが認められた。2つの事業者については平均電力が最大電力の0.1%未満であったが、残りの1事業者については、3つの帯域の平均電力が最大電力の0.8-20%の範囲であった。この測定値から、ユーザーの脳でのSARは、携帯電話が使用されていた年、ユーザーが加入する事業者、ネットワーク/技術に接続している時間の比率に強く依存することが示唆された。LTEネットワークの平均送信電力での1 gあたりのピーク空間平均SAR(psSAR)の最大値は4.8 mW/kg(子どもの頭部モデル)であった。検討した全てのネットワーク間では、psSARに最大で25 dBのギャップが認められた、と著者らは報告している。

ばく露