[Wistarラットの海馬におけるエピジェネティックな調節に対する携帯電話信号放射の影響] med./bio.

Effect of mobile phone signal radiation on epigenetic modulation in the hippocampus of Wistar rat

掲載誌: Environ Res 2021; 192: 110297

この研究は、無線周波RF電磁界によるばく露量依存的および周波数依存的なエピジェネティックな調節(DNAおよびヒストンメチル化)を、Wistarラット海馬で調べた。合計96匹のラットを12群に割付け、900、1800、2450 MHzのRF(比吸収率SAR)がそれぞれ5.84×10^(-4) W/kg、5.94×10^(-4) W/kg、6.4×10^(-4) W/kg)に、2時間/日、1か月間、3か月間、6か月間ばく露した。ばく露期間終了時、ラット安楽死させて海馬を摘出した。海馬全体でのDNAのメチル化およびヒストンメチル化を、酵素結合免疫吸着法(ELISA)で評価した。DNAメチル化酵素のDNAメチルトランスフェラーゼ1(DNMT1)およびヒストンメチル化酵素のユークロマチンヒストンメチルスランスフェラーゼ1(EHMT1)の発現をリアルタイムPCRで評価し、ウェスタンブロットで更に検証した。その結果、海馬でのエピジェネティックな調節の有意な変化(p < 0.05)が認められ、海馬での全体的なDNAメチル化は減少し、ヒストンメチル化は増加した、と著者らは報告している。

ばく露