[耳鳴りに対する携帯電話使用のインパクト：系統的レビューおよびメタ分析] review

この研究は、携帯電話使用が耳鳴りのリスクを高めるかどうかを、メタ分析アプローチで調べた。携帯電話使用に関連する耳鳴りのリスクを報告した研究8報を同定し、そのうち質の高い6報（コホート研究2報、症例対照研究1報、横断的研究3報）をメタ分析に包含した。研究の質はNewcastle-Ottawaスケールを用いて評価した。耳鳴りのリスクは、研究デザインおよびばく露評価手法に従ったサブグループ内での携帯電話へのばく露に応じて分析した。その結果、携帯電話へのばく露をネットワーク事業者のデータを用いて評価した2報のコホート研究では、低ばく露ユーザーに対する高ばく露ユーザーの耳鳴りのリスクの有意な上昇は認められなかった（オッズ比（OR）= 1.03、95%信頼区間（CI）= 0.93-1.15）。同様に、コホート研究／症例対照研究および横断的研究からの自己申告のばく露データには、耳鳴りとの関連は認められなかった（それぞれ、OR = 1.20、95% CI = 0.40-3.61；OR = 1.73、95% CI = 0.67-4.49）。これらの結果は、携帯電話使用が耳鳴りと関連しているという仮説を支持していない、と著者らは結論付けている。