[在外大使館の米国政府職員とその家族における病気の評価] basics

An Assessment of Illness in U.S. Government Employees and Their Families at Overseas Embassies

National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine (NASEM)
2020: 1-76, ISBN 978-0-309-68137-7

2016年にキューバのハバナにある米国大使館の職員が、一連の異常症状および臨床的徴候の発症を報告し始めた。これらの患者の一部では、方向性のある特徴を有すると感じられる、大きな騒音の突然の発生に始まり、片側または両側の耳の内部での、あるいは頭部の広範な領域にわたる痛みを伴い、場合によっては頭を圧迫される、または揺さ振られる感覚、めまいの感覚、その後の耳鳴り、視覚障害、空間識失調、認知障害を伴うこともあった。その翌年から、中国の広州にある米国領事館に所属していた別の職員も、様々な程度の同様の症状および徴候を報告した。2020年6月時点で、職員の多くはそれらの、および/またはそれら以外の健康問題に苦しめられ続けている。これらの臨床的症例を説明するため、複数の仮説およびメカニズムが提唱されたが、証拠は不足したままで、いずれの仮説も証明されておらず、状況は依然として不明である。国務省は、政府職員に対して海外のポストでの健康リスクについての情報をより効果的に提供するための取り組みの一環として、それらの病気の潜在的原因を確認し、短期的および長期的な健康問題の両方に対するスクリーニング、未然防止、治療のための最善の医学的措置を決定するため、全米科学工学医学アカデミーズに独立した専門家ガイダンスを提示するよう要請した。「在外大使館の米国政府職員とその家族における説明できない健康影響についての国務省への助言のための常設委員会」は、これらの臨床的症例の評価において、急性症状のみ、慢性症状のみ、またはその両方の人々を含める際に、個人レベルの健康およびその他の情報にアクセスできなかったこと、臨床的特徴が時間とともに進化・変化すること、臨床的症状および徴候のタイミングの点で対象集団が非常に一様でないことといった、複数の難題に直面した。しかしながら、当委員会は、独特の臨床的特徴を同定し、可能性のある原因を検討し、もっともらしいメカニズムおよびリハビリテーションの取り組みを評価し、将来の計画および対応のための推奨事項を提示することができた。

ばく露