研究のタイプ: 疫学研究

[現代の健康不安および電磁界を原因と考える本態性環境不耐症は妄想念慮と関連している] epidem.

Modern health worries and idiopathic environmental intolerance attributed to electromagnetic fields are associated with paranoid ideation

掲載誌: J Psychosom Res 2021; 146: 110501

現代技術によって生じるかもしれない有害な影響についての不安(MHW)や、電磁界を原因と考える本態性環境不耐症(IEI-EMF)のようなIEIを特徴付けるものとして、妄想念慮が想定されているが、これについての経験的な証拠はほとんどない。この横断的オンライン調査では、コミュニティのサンプルから抽出した参加者(n = 700、平均年齢28.4±12.0歳、女性434人、男性266人)が、体性感覚増幅スケール、現代の健康不安スケール、症状チェックリストの妄想念慮スケールチェックリスト90改定版に回答した。参加者が、(1) 自身をIEI-EMFと分類した場合、(2) 電磁界へのばく露が原因であると自身が考える症状を経験していた場合、(3) その症状が自身の日常的な機能にインパクトを及ぼした場合、彼らをIEI-EMFと見なした。その結果、妄想念慮は、社会人口統計学的変数、および体性感覚の増幅傾向身体表現性障害の指標の一つ)について調整しても、有意にMHWと正の関連を示した。また、妄想念慮は、社会人口統計学的変数、および体性感覚の増幅傾向について統計的に調整しても、IEI-EMFの人々における有意なばらつき(オッズ比OR)= 1.090、95%信頼区間(CI)= 1.006-1.180、p = 0.035)を説明できた。妄想念慮とMHWおよびIEI-EMFとの関連は、どちらについても一般的な身体表現性障害とは独立のようである、と著者らは結論付けている。

ばく露