[3テスラMRIでの29月齢の全身モデルに対する128チャネルhd-EEG［高解像度脳電図］ネットの高周波安全性の数値シミュレーション] tech./dosim.

この論文の著者らは、小児の全身ボクセルモデルにおける3 Tでの磁気共鳴画像撮影（MRI）の際の高周波（RF）電磁界による温度上昇の誘導を、ネットがない場合（NoNet）、抵抗性の高解像度脳電図（hd-EEG）ネットを用いた場合（NeoNet）、銅製ネットを用いた場合（CuNet）の3つのケースで調べた。頭部の組織10 g平均の比吸収率（SAR）の最大値を計算したところ、NoNetの場合で12.40 W/kg、NeoNetの場合で12.51 W/kg、CuNetの場合で17.04 W/kgであった。また、MRIスキャン中にhd-EEGネットを用いない場合（NoNetおよびCuNetの場合）のRFによる温度上昇を判断するため、子どものモデルに年齢補正および体温調節した灌流を適用して温度シミュレーションを実施した。その結果、子供の頭部での最大温度上昇の推定値は、NoNetの場合で38.38℃、NeoNetの場合で38.43℃、CuNetの場合で43.05℃であった。NeoNetの場合、子供の頭部での最大温度上昇の推定値は、MRIのRF安全限度についてのIEC 60601の適合範囲に留まっていたが、CuNetの場合は安全限度を超過し、適切な冷却期間、またはRFによる温度上昇を抑えるためのハードウェアの設計が必要かもしれない、と著者らは結論付けている。