[3T MRIスキャナーに横たわると無視のような空間的注意バイアスが誘発される] med./bio.

磁気共鳴画像撮影（MRI）スキャナーの静磁界は、聴覚の前庭器官の磁性流体力学的刺激（MVS）を生じ得る。一般的な機能的MRI（fMRI）設定では、MVS効果は前庭性眼反射（VOR）につながる。この研究は、3 TのMRIスキャナー内の健康な被験者には、VORの誘導を超えて、別の種類の前庭刺激である目標指向性空間行動に対する変化も生じるかどうかを調べた。その結果、17人の健康なボランティア全員が、MRIスキャナー内で右向きのVORを呈した。より重要なこととして、視覚探索課題を用いたMRI内での観察可能な［視線移動による］空間的注意の分布を調査する際、被験者は空間の有意に右側にシフトした領域を見ていた。主観的な正面方向についての追加的な推定でも、右向きのシフトが認められた。よって、3 TのMRIスキャナー内の被験者には、MVSによって空間的方向付けと探索に水平方向のバイアスが生じ、これは空間無視のある脳卒中患者のそれと非常に似通っている、と著者らは結論付けている。