[スーダンのハルトゥームでの携帯電話基地局からの高周波放射への屋外ばく露の空間的ばらつき] tech./dosim.

Spatial variability of outdoor exposure to radiofrequency radiation from mobile phone base stations, in Khartoum, Sudan

掲載誌: Environ Sci Pollut Res 2022; 29 (10): 15026-15039

この研究は、携帯電話基地局からの高周波RF放射ばく露の分類と特性評価を行った。GSM900、GSM1800、UMTS2100で動作する基地局合計282基をカバーする空間的分布測定を、2012年(パイロット調査)および2019年9月-2020年1月にスーダンのハルツームで実施した。調査対象のアンテナを所有する3つの事業者を無作為にA、B、C社にコード化した。アンテナ/タワーから一定の距離で、周波数選択式RFアナライザーを用いて測定を実施した。データの高度な反復測定ANOVA、線形判別分析(LDA)、ArcGISを用いた空間補間を実施した。その結果、GSM900、GSM1800、UMTS測定の平均値は、それぞれ0.01933 W/m^2、0.0067 W/m^2、0.0046 W/m^2であった。個々のアンテナについて高いレベルの電力密度が、90 m、110 m、130 m、150 mの距離で記録され、測定したアンテナの大多数(70%)で、ピーク値/最大値は主に110 mの距離で報告された。反対に、LDAの一部としての判別子から、測定値のばらつきの大半は、150 m、170 m、190 mの距離での測定値に帰結された。LDAをANOVAの結果で確認したところ、3社間でUMTSおよびGSM900の測定値について統計的有意差があったが、GSM1800については有意差はなかった。ArcGISを用いたクリギング補間では、調査エリア全体のばく露の空間的分布についての強い証拠(商業地域や住宅街で最も高い)が示された。国際非電離放射線防護委員会ICNIRP)の限度値を超える極端な値が少数報告されたが、データの正常性の問題(パラメトリックなデータ分析のための前提条件と見なされた)のため、計算からは除外された。極端なレベルのRFが存在することは、更なる調査の必要性を示すものである、と著者らは結論付けている。

ばく露