[テラヘルツ照射後の大腸菌の凝集および細胞分裂の阻害] med./bio.

E. coli aggregation and impaired cell division after terahertz irradiation

掲載誌: Sci Rep 2021; 11: 20464

この研究は、大腸菌(E. coli)のテラヘルツTHz放射へのばく露が、tdcABCDEFGRおよびmatA-F遺伝子細胞凝集の兆候)、yjjO遺伝子細胞運動の抑制の兆候)、dicABCF、FtsZおよびminCDE遺伝子細胞分裂抑制の兆候)、sfmACDHF遺伝子(付着因子合成の兆候)、yjbEFGHおよびgfcA遺伝子細胞エンベロープの安定化の兆候)の活性の変化を生じることを示した。また、THz放射はE. coliのcsgオペロン遺伝子のアミロイド生合成を生じた。電子顕微鏡観察では、照射されたE. coliでは凝集の増加が見られ、その20%は線毛が集まった束上の構造を形成した。このことは、線毛の付着特性の変化の結果かもしれない。また、細胞の中間部分細胞壁構造の異常も認められた。この異常は、分裂の初期段階で細胞を損ない、長い棒状細胞の蓄積を生じた。これらの結果は、THz放射がバクテリア集団に悪影響を及ぼし、異常な形態の細胞を生じることを示している、と著者らは報告している。

ばく露