[2.8 GHzの近傍界導波管出力にばく露されたラットの脳内の温度動態] tech./dosim.

この論文は、オープンエンドの方形導波管から発せられる高周波（RF）エネルギーにばく露したラットの過渡的な熱応答を概説している。このばく露は、全身および脳に対してそれぞれ約36および203 W/kgの比吸収率（SAR）を生じる。実験的に測定した熱的データを用いてベースラインの脳灌流速度を推定し、その知見に基づいて熱的モデリングツールを改変した。ラットの脳の温度のマルチフィジックスシミュレーションを、肝臓および安楽死させた検体での経験的測定値と比較したところ、モデルと実験との良好な一致が認められた。ラットのベースラインの脳灌流率は、RF熱モデリング分権で従来仮定されていたよりも大きい可能性があり、これが高出力マイクロ波ばく露に対する過渡的な熱応答に重要な役割を担っている、と著者らは結論付けている。