[2および28 GHzでの同時近傍界ばく露による電力吸収および皮膚温度上昇] tech./dosim.

Power Absorption and Skin Temperature Rise from Simultaneous Near-field Exposure at 2 and 28 GHz

掲載誌: IEEE Access 2021; 9: 152140-152149

電磁界からの人体防護のための国際的なガイドラインおよび規格では、6 GHzまでの周波数に対しては過剰な温度上昇を防ぐための尺度として、質量で平均化した比吸収率SAR)が用いられている。この遷移周波数より上では、第5世代移動通信(5G)に割り当てられているものを含めて、人体ばく露に対する制限を規定するための物理量として、面積で平均化した吸収電力密度(APD)または上皮電力密度が用いられている。5Gシステムでは、6 GHz以下と6 GHz超の周波数が同時に用いられることがある。温度上昇、特に過剰な表面温度上昇の防止に関して、SARとAPDの重ね合わせの影響を考慮することが望ましい。この研究は、それぞれ2 GHzおよび28 GHzで動作する、逆F字型アンテナおよびパッチアンテナアレイからの同時ばく露を検討した。計算の結果、重ね合わせの影響は僅かであることが示された。この結果は、生物学組織(~10 mm)での熱拡散長に帰結された。パッチアンテナアレイと逆F字型アンテナの間隔が50 mm未満で、身体とアンテナの間隔が5 mmの場合にのみ、重ね合わせの影響は15%よりも高くなる、と著者らは報告している。

ばく露