[1800 MHz高周波電磁照射は初代マウス海馬ニューロンおよびNeuro2a細胞におけるRap1-GTPの減少を伴う神経突起伸長を阻害する] med./bio.

1,800 MHz Radiofrequency Electromagnetic Irradiation Impairs Neurite Outgrowth With a Decrease in Rap1-GTP in Primary Mouse Hippocampal Neurons and Neuro2a Cells

掲載誌: Front Public Health 2021; 9: 771508

この研究は、神経細胞における神経突起伸長に対する1800 MHzの高周波RF電磁界へのばく露の影響、ならびにこれに関連するRap1シグナル伝達経路の役割を調べた。 C57BL/6マウスの初代海馬ニューロンおよびNeuro2a細胞を、比吸収率SAR)4 W/kgの1800 MHz RFに24、48、72時間ばく露した。細胞生存率をCCK-8アッセイで判定した。初代海馬ニューロン(DIV 2)およびNeuro2a細胞の神経突起伸長を倍率20の光学顕微鏡で観察し、ImageJソフトウェアで認識した。Rap1aおよびRap1b遺伝子発現をリアルタイム定量的ポリメラーゼ連鎖反応(RT-qPCR)で検出した。Rap1、Rap1a、Rap1b、Rap1GAP、およびp-MEK1/2タンパク質発現をウェスタンブロッティングで検出した。Rap1-GTP発現免疫沈降法で検出した。Rap1-GTPの役割を、Neuro2a細胞に構成的に活性な変異プラスミド(Rap1-Gly_Val-GFP)を形質移入することで評価した。その結果、4 W/kgの1800 MHz RFへの24、48、72時間のばく露は、細胞生存率に影響しなかったが、神経突起の長さ、一次および二次神経突起数、および一次マウス海馬ニューロンの分岐点は、48時間ばく露によって有意に損なわれた。Neuro2a細胞の神経突起を含む細胞の割合と神経突起の長さも48時間ばく露によって阻害された。Rap1の活性は48時間ばく露によって阻害されたが、Rap1の遺伝子またはタンパク質発現には検出可能な変化は認められなかった。Rap1GAPのタンパク質発現は48時間のばく露後に上昇したが、p-MEK1/2タンパク質発現は低下した。構成的に活性なRap1の過剰発現は、48時間ばく露によるRap1-GTPの低下およびNeuro2a細胞における神経突起伸長の阻害を反転させた。1800 MHzのRFへの48時間のばく露による神経突起伸長のかく乱にはRap1活性およびこれに関連するシグナル伝達経路が関与している、と著者らは結論付けている。

ばく露