[筋萎縮性側索硬化症の環境リスク要因：カナダとフランスでの症例対照研究] epidem.

この研究は、筋萎縮性側索硬化症（ALS）と潜在的環境リスク要因、特に頭部外傷および農薬との関連について、カナダおよびフランスの三次医療センターで症例対照研究を実施した。継続的なALS症例、および年齢分布と地域が同じ対照群を募集した。参加者は電話アンケートに回答した。頭部外傷は症状発現時の年齢で検閲し、症状発現の3年以上前の古い頭部外傷を考慮した感度解析を実施した。単変量および多変量ロジスティック回帰を用いてオッズ比（OR）および95%信頼区間（CI）を推定した。合計でALS症例404人および対照381人がアンケートに回答した。その結果、以前の頭部外傷は症例でより多く報告され（調整後OR = 1.50、95% CI = 1.05-2.18）、量反応関係が認められた。この関連は男性で強く（調整後OR = 2.06、95% CI = 1.22-3.55）、古い外傷と整合したが、女性では関連はなかった。農薬については、以前の高リスク職業がALSと関連していた（調整後OR = 2.08、95% CI = 1.36-3.24）が、報告された農薬への職業ばく露は多変量モデルでは統計的に有意ではなかった（調整後OR = 1.67、95% CI = 0.97-2.97）。過去の電撃はALSと関連しており（調整後OR = 1.79、95% CI = 1.13-2.87）、脊髄発症ALSで特に顕著であった。農薬への居住環境ばく露、頸部外傷、溶接はALSと関連していなかった、と著者らは報告している。