[超低周波磁界ばく露はラットの損傷した脊髄における酸化ストレスおよびアポトーシス細胞死を緩和する] med./bio.

Extremely low frequency magnetic exposure attenuates oxidative stress and apoptotic cell death in injured spinal cord of rats

掲載誌: Indian J Exp Biol 2022; 60 (4): 248-257

二次脊髄損傷(SCI)は外傷直後に始まり、損傷部位に血管形態学的および生化学的変化を生じる。特に、酸化ストレスおよびアポトーシスといった重大な事象は、隣接する組織への傷害の拡大につながる。超低周波(ELF)磁界ばく露はイン・ビボで酸化ストレスおよび細胞死を調節することが報告されている。この研究は、ELF磁界がSCI後の酸化ストレスおよび細胞死に及ぼす影響を調べた。成体の雄のWistarラットを、擬似SCI群(椎弓切除のみ)、擬似SCI+ELF磁界ばく露群(50 Hz、17.96 μT、2時間/日)、SCI群(T13脊髄の完全切断)、SCI+磁界ばく露群に割り付け、抗酸化アッセイ用に2日目に安楽死細胞死研究用に1、2、3日目に安楽死させた。酸化ストレスを抗酸化酵素活性で、細胞死をTUNELアッセイおよびカスパーゼ-3免疫組織化学で評価した。その結果、ELF磁界ばく露したSCIラットには、脂質過酸化、および細胞死を生じた細胞の数の有意な減少、ならびに、脊髄での抗酸化レベルの改善が認められた。これらの知見は、ELF磁界がSCI後の二次的傷害の初期段階において酸化ストレスおよび細胞死を緩和する潜在的可能性を示すものである、と著者らは結論付けている。

ばく露