研究のタイプ: レビュー/サーベイ論文

[実験的および疫学的ヒト研究における子どもおよび若年者に対するワイヤレス通信デバイスからの高周波電磁界ばく露の生理学的および健康に関連した影響の系統的レビュー] review

Systematic review of the physiological and health-related effects of radiofrequency electromagnetic field exposure from wireless communication devices on children and adolescents in experimental and epidemiological human studies

掲載誌: PLoS One 2022; 17 (6): e0268641

子どもおよび若年者は敏感な人口集団とみなされることから、彼らに対するモバイル通信デバイスからの高周波RF電磁界の潜在的健康リスクが20年以上にわたって調査されてきたが、そのようなばく露が彼らを特定のリスクにさらすかどうかは依然として不明である。このこのレビューの目的は、子どもおよび若年者に対するワイヤレス通信デバイス(携帯電話コードレス電話、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、Bluetooth、基地局、他)からの高周波RF電磁界へのばく露生理学的および健康に関連した影響を系統的に分析・評価することであった。このレビューは、「系統レビューおよびメタ分析のための優先的報告項目(PRISMA)」ガイドラインに従って作成された。個々の研究における方法論的限界を、米国国家毒性プログラム健康評価解釈局(NTP-OHAT)の「ヒトおよび動物研究に対するバイアスリスク格付けツール」を用いて評価した。合計で疫学研究42報および実験研究11報がこのレビューの対象として適格であった。大半の研究で、結果の内部妥当性を制限する複数の方法論的弱点が認められた。レビューした研究の大半における、アウトカムに関する一貫性の欠如、ならびに科学的厳格さの欠如のため、子どもおよび若年者の自覚症状認知行動に対するモバイル通信デバイスのRF電磁界の影響についての証拠は全体として、低いか不適切であった。モバイル通信デバイスからのRF電磁界へのばく露が、子どもおよび若年者を特定のリスクにさらすかどうかという最終的な結論を許容するには至りませんでした。幼児期の発達、脳活動、がん、および生理学的パラメータを調べた研究からの証拠は、あるかもしれない影響についての結論を導くには不適切とみなされた。証拠は全体として、モバイル通信デバイスからのRF電磁界へのばく露が、子どもおよび若年者を特定のリスクにさらすかどうかという最終的な結論を許容するには至らなかった。RF電磁界を生じる技術が急速に発展しており、子どもおよび若年者がこれを幅広く使用していることから、この著者らは、子どもおよび若年者についての質の高い系統的研究を強く推奨している。

ばく露